こんにちは!!野江駅近くのばんどう歯科・矯正歯科です!
今日は顎のトラブル、いわゆる顎関節症についてのお話をしたいと思います。
皆さんは、朝起きた時に顎が痛かったり、だるかったりもしくは急に口が開きにくくなった経験はないですか??
実は顎関節症と言っても、顎関節症も大きく4つのタイプに分けられます。
①筋肉痛タイプ
②ねんざタイプ
③クッションのずれタイプ
④骨の変形タイプ
順番に説明していきたいと思います!
まず①について
顎関節症というと「顎関節に異常が起きている」と想像しがちですが必ずしもそういうわけでは有りません。
顎関節を動かす筋肉の痛みが顎の痛みと感じられたり、口を開けにくくすることも多いのです。
このタイプには筋肉をほぐすのが効果的ですので患者様には
筋肉マッサージや開口ストレッチを繰り返していただきます。それでも症状が改善しにくい場合は
マウスピースの使用やボツリヌストキシン療法(筋肉をほぐす注射)を行います。
次は②についてです
関節には骨の他に軟骨や靭帯、関節包といった組織があります。「ねんざ」というのはそうした組織に無理な
力がかかり痛めてしまうことを言います。ねんざタイプではこのうち関節包の内側にある「滑膜(かつまく)」に
炎症が起きています。滑膜が炎症を起こすと滑膜から滲み出る潤滑油の滑りが悪くなります。
するとさらに炎症が増して関節の動く範囲が小さくなります。悪化すると関節が硬くなり口が開かなくなります。
炎症が起きているわけですから症状の改善には安静にすることが大切です。必要に応じて飲み薬で炎症を抑え
痛みが治まったら開口ストレッチを徐々に始めましょう。ストレッチをしないと顎が固まったままになって
しまいます。
症状が重度な患者様は注射で関節の中に生理食塩水を還流させ内部を洗浄し、炎症を抑えるお薬を注射します。
またその他には内視鏡を使用し内部の手術をすることもあります。
次は③についてです。
このクッションのずれタイプには2パターンあります。一つはポキポキパターンです。
口を大きく開けると前の方にずれていた関節円板が下顎頭の上に戻ろうとします。その時骨と骨との
狭い隙間を通り抜けようとして音がします。口を開けた時にカクッとかポキっと音が鳴るのはこのパターン
です。もう一つは途中で引っかかる「引っかかりパターン」です。口を開けた時前の方にずれていた関節円板
が下顎頭の上に戻れず詰まって顎の動きがそこで止まってしまうのです。口を開けようとしてもひっかかった
ように動きません。①、②のどちらのパターンでもずれた関節円板が動く時に関節の中で無理がかかると
痛みが出ます。しかし関節円板がズレていても無理がかからなければ痛みもなく口も開きます。
痛みの原因は関節円板への無理な力です。痛みを和らげるには飲み薬や注射治療が用いられます。
患者さんによる開口ストレッチと合わせて口を開くようにしていきます。
①の場合は痛みがなく音が気になるだけなら治療の必要はなく、経過観察をすることが多いです。
②の場合は顎関節の内部の変化に伴い、④の骨の変形タイプに移行することがありますので
定期的な検査が必要になります。
次は④についてです。
下顎窩と下顎頭の間には関節円板や骨の表面を覆う軟骨があります。しかし、関節円板が前にズレさらに加齢などに
より軟骨が薄くなると下顎窩と下顎頭が直接当たるようになりやがて骨が変形していきます。
これが「骨の変形」タイプです。口が開きにくかったり、開けるときに痛みがあったり、音がしたりします。
軟骨は女性ホルモンの影響を受けますのでホルモンが少なくなり、軟骨が薄くなる中高年の方によく見られます。
クッションのずれタイプを長い期間放置して悪化すると骨の変形タイプに移行することが多いです。
治療では痛みを取り、口を開けられるようにするために鎮痛剤の服用や注射治療、開口ストレッチなどを
行います。骨の変形に要する期間は長いので経過観察も必要です。